抜歯後の歯肉のヘコミを回避した審美症例

37歳/女性
治療前
治療後
治療前
治療後
症状・主訴 前歯の差し歯の境目が黒くなってきたのでやり変えたい。
しかし、実際は歯が折れており抜歯となりました。
目安の治療費 132000円×3本=396000円(税込)(処置費用別途)
+骨造成(GBR)55000円(税込)
治療期間 6ヶ月程度
治療法 抜歯後の歯肉の陥没を回避するために、組織のボリュームを維持させる処置を事前に行い、オールセラミックブリッジにて治療しました。
リスク

【1】審美補綴(ほてつ)治療
主に歯が欠けてしまった場合、歯を失った場合に、人工歯を用いて詰め物・被せ物などで歯を補うことです。
・補綴物には、見た目は白くても金属を含むものもあり、金属アレルギーの原因となる可能性があります。金属アレルギーの方は、治療前に医師にご相談ください。
・補綴治療では歯を削る必要がある場合があります。歯を削る量は、補綴物の素材や治療法により異なります。また、健康な歯を削る必要がある場合もあります。治療前に医師にご確認ください。
・審美補綴では、その種類に応じて治療費が異なり、セラミックやジルコニアなど、保険適用外となる素材もあります。それぞれのメリット・デメリットを確認したうえでお選びください。
・歯の強度・耐久性、噛み合わせなど、悪影響があると判断される場合は、ご希望の補綴物や治療法が適応出来ない場合がありますので、ご了承ください。

※掲載されている症例はすべて、当院で治療を完了した患者さまのものです。症例写真はトリミング(切り抜き)以外の加工等は行っておらず、サイト掲載の許可をいただいたものです。
掲載されている症例はすべて、各患者さま固有の症例に対応したものであり、治療結果を保証するものではありません。

治療の流れについて

初診時

歯根が破折しており抜歯が必要となりました。
何もしないで単純に抜歯のみを行うとかなり歯肉がヘコみ、その後の被せ歯がうまくいかず、見た目にかなりの問題が残ることが予想されました。

歯肉を増やすために歯を引っ張り出します

器具をつけて歯を引っ張り出します。
これにより反対側の歯の歯肉の高さを基準として−2mmだった状態を
+2mm歯肉が増えるようにコントロールします。

抜歯すると同時に骨補填材を入れてヘコミ防ぎます

歯肉を増加させた上で抜歯を行います。
また同時に骨補填材というヘコミを防ぐ材料を入れて、歯肉が治癒するのを待ちます。
完全に治癒した後に、歯の形に合わせて精密に歯肉の形を調整していきます。

精密な仮歯を入れてリハーサルをします

精密仮歯を調整することにより、歯の形を良好な状態にするのはもちろんのこと、歯肉に炎症がなく健康的な状態になるまで追求していきます。
このようにして、完全に生体に調和する被せ歯を入れる準備をしていきます。
また、患者さんも最終的な歯の形が事前に確認できるので、安心して最後のステップに移ることができます。

最終的なオールセラミックブリッジをセットします

精密に調整した仮歯をコピーして作るので、問題なく最終の被せ歯が入ります。
抜歯後の歯肉がへこまないように事前処置をしっかりと行っているので、見た目においても自然な感じに仕上がっています。

解説

前歯において抜歯を行うとかなりの歯肉のヘコミが生じます。そのまま歯を作ると一本だけ長い歯になってしまい、見た目にもかなり不自然になってしまいます。

今回はそのようにならないように、色々な方法を用いて極力歯肉がヘコまないようにコントロールしてあるところが最大のポイントです。
抜歯後の状態を予測し、時間はかかりますが事前の処置をしっかりと行うことによって審美的に良好な結果を生み出すことが可能です。

審美的に良好な結果を得るためには、診査・診断の段階で8割決まると考えています。ここで見誤るとその後のリカバリーでかなり苦労することになります。
かなり突き詰めた審美症例を数多く経験していないと、最初の段階で治療完了イメージを見通すことは難しいです。
当院ではしっかりとした診査・診断を行い無理・無駄のない治療を心がけております。